「油谷(ゆや)地区」山口県長門市

※本紀行文については「まえがき」をご覧ください。
山口県長門市。東の萩市と西南の下関市に挟まれた自然豊かな場所。長門市へは長門湯本温泉と焼き鳥の取材で10年位前に訪ねたことはありましたが、今回は他の地区を訪ねてきました。第一段は油谷地区。

123基の赤い鳥居がフォトジェニックな元乃隅神社。地区の中心部から海の方へアップダウンを繰り返し到着。有料の駐車場は神社を運営するための財源になっているようでトイレや売店も整備され警備員さんも丁寧に対応してくれました。境内には御守りや御土産が販売されていましたが、歴史も浅いためか私が惹かれるものはありませんでしたね。岩場には古い祠もありますので地元住民の信仰があったことは確かだと思いますが、現在のような形は観光のためにつくられたものと考えます。

鏡のような油谷湾を目の前にする立地条件が優れている「楊貴館」。年度末のリニューアル工事中で残念ながら宿泊することができませんでした。今後は既存の棟のリニューアルのみならず長期滞在向けに敷地内の開発も進めているようですので次回こそは。

油谷湾の北側にのびる向津具(むかつく)半島。こちらが二尊院の境内にある楊貴妃の墓と伝えられておる五輪の塔。大陸から流れてきた楊貴妃が息を引き取り葬られいるというだけに美麗な子を授かったり婦人病封じの御利益があるそうですよ。二尊院には宿坊もあるようです。

半島をさらに西側へ進み目指したのは油谷島にあるという製塩所百姓庵。油谷湾の海水を汲み上げ立体式塩田で製塩し各所から評価を得ているそう。残念ながら現場を見ることはできませんでしたが、隣の地区の道の駅センザキッチンや地元スーパーのサンマートで入手することができました。

道中で偶然にも入ったのはセレクトショップ「equal」。博多から移住した夫婦がDIYをして開店させたアパレルとカフェのお店。こちらの写真は裏側ですが店内に入ると煌めく油谷湾を見ながら手作りのランチをいただくことができます。

オーナーがデザインしたスカルのTシャツ。日頃は着ない柄ですが買ってしまう勢いこそが旅の楽しみ!

油谷地区での宿は「民泊これいね」。オーナーが定年後にUターンをし先ずは喫茶店を始め、その後に親戚の空き家を改装し民泊を開業したそう。徒歩圏内に飲食店やコンビニは無いので食材を買い込んでチェックイン。観光客以外にも学生や近くの造船所に出張へきたビジネスマンの需要があるようです。温泉街ではない油谷地区だからこそ民泊の存在が大きいですね。

「民泊これいね」があるのは、安倍家の墓所の近く。長閑な田畑に見えて、隣は萩、日本海の先には大陸という際にある場所であることを思い知らされます。

以上が油谷地区。もっともっと書きたいことはありますが…このぐらいにしておきましょう。第二段は俵山温泉へつづきます。