「山人料理の田舎宿 尚文(しょうぶん)」群馬県水上温泉

※本紀行文については「まえがき」をご覧ください。

群馬県みなかみ町 山人料理の田舎宿 尚文
私と群馬県のかかわりは、秋冬に高崎の大学へ週一で通い、くわえて、県の観光関連の委員を拝命したこともあり前橋には不定期で訪問しています。なかなか高崎・前橋から先へ足を延ばす時間がとれずにいましたが、タイミングよく時間が取れたもので、久しぶりに水上の「山人料理の田舎宿 尚文」を訪ねてきました。今回は前橋駅から中高生に混じり水上線に揺られ、水上駅から路線バスで向かうというローカルな旅でしたが、車を使えば東京で早めに仕事を終えてからでも夕食に何とか間に合う距離感です。そして、尚文は「宿主が安心して常連客に紹介できる宿」として活動する「一の宿」の加盟宿。信頼の証です。


料理のテーマは山人料理 まずは野菜を直球に味わう前菜から

Overview
宿があるのは水上と片品村をつなぐ通称「奥利根ゆけむり街道」沿い。水上駅から路線バスで10分程で到着。周辺に宿は数軒ありますが温泉街とは異なり自然に囲まれた静かな環境にあります。今の館主で3代目。地元に根を張ったお宿です。
客室数は母屋に4室、離れに4つあり全て露天風呂付き。広々とした敷地内に8室かありませんからゆったりと静かに過ごすことができます。駐車場にある車は埼玉県や東京都のナンバー。お忍びで来るにもおすすめです。館内には時間制限もない無料の貸し切り風呂もありますから外国人も浴衣を着て楽しんできました。離れはお子様のお泊りNGです。
館内や客室内は山の宿らしく木材がふんだんに使われ日本家屋の温もりを感じながらも、プライベート感が保たれる広々とした間取りやシンプルなインテリアが洗練された空間を生み出しています。
コンセプトが「田舎宿の山人料理」とされているようになんといっても食事が美味しい。奇をてらわず奥利根の食材の良さを最大限に引き出す料理だと思います。
記念日というよりも疲れた心身を整えにスッピンで泊まりたい。そんな宿。グループではなく、夫婦カップル、母娘、とにかく静かに過ごしたい人におすすめです。

Topics


「きのこ三昧鍋」と「お山の釜飯」。大ぶりの茸、太い葱がみずみずしい。


「尚文釜めしセット」は購入も可(事前予約制)


夕食に出される地元の唐辛子を使った「柚子とんがらし」。他の柚子胡椒に比べると香りが高く舌ざわり滑らか。


化粧品は天然由来の香料を使用した「OSAJI」。同じく群馬の高崎にある会社が製造しています。私は都内やオンラインで購入して使用したことがありますが、自然に囲まれた宿のなかで使うからこそ天然の香りのよさが引き立ちます。改めて製品の良さを感じました。


客室内は木材を中心にした自然素材が多用されプラスチック製品などが目に入ってこないこないよう工夫がされています。例えば、アメニティが収納されている箱は同町内の「桐匠 根津」が製作したもの。隣接する新潟県の津南町にもつ自社山中で育てた桐を加工しているそうです。私は同社のまな板も使用していますが、とても軽く乾燥も早いので重宝しています。


パブリックスペースに置かれたドリンクコーナー。朝食の前に自家製人参ジュース、食後には尚文ブレンドを。ゆっくりと爽やかな朝の時間を過ごすことができます。


海外系のOTAからの評価が高い尚文。田舎暮らしを贅沢に楽しみたい外国人に人気です。

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