奥たまかわ温泉その1~希少!ラジウム泉の貸し切り風呂「すわや」~
※本紀行文については「まえがき」をご覧ください。
初秋に阿武隈地方へショートトリップしてきましたのでレポートです。
福島県玉川村 奥たまかわ温泉 すわや
思いたって一泊二日の行き先を探そうとするも週末のうえ紅葉の季節だけにお目当ての宿は満室ばかり…。どうしたものかと悩んでいると浮上した宿が「奥たまかわ温泉 すわや」。玉川村は郡山駅から車で1時間もかからない人口6千人の村で私にとっては未開の地。それもそのはず村にはウルトラマン空港で知られる福島空港があるので観光がんばらなくてもね…。村内に宿泊施設は2軒のみ。そのうちの一つが「すわや」です。
玉川村には泉地区と須釜地区の2つの地域あり須釜地区の四辻集落を目指します。県道を走るとほどなく到着する1軒宿。山道を走るわけでもなし雪も多くは積もらないようなので郡山駅から1時間以内で到着できるアクセス良好の宿と言えるでしょう。宿名の由来になったという1445年創建の諏訪神社へお参りしてから向かいました。その名から分かるように信濃の諏訪大社の神が祀られていましたが、社は小さく集落全体が見渡せる高台にたっています。600年前も同じ景色が広がっていたのだろう、と感慨深くもありました。
さて、現在は4室だけの小さな宿ですが、その歴史は深く約200年前に諏訪神社のお告げを聞いた初代が神社の麓を訪ねたところ湯を発見し開湯したとのことで長らくは湯治宿として営まれていたそうです。現在は7代目の女将さんが貸切露天風呂を増設したり内部を改修したりと手を加え個人向けの旅館として営業されています。客室は二階建ての母屋につくられた4部屋で、それぞれに間取りや家具も異なりますから好みと金額で選ぶと良いでしょう。
そして温泉は希少な「ラジウム泉(単純弱放射能泉)」。浴室に入っただけで湯の良い香りが漂いPH値は6.36の滑らかな肌ざわり。湯につかると正真正銘の温泉であることが実感できます。館内や調理場で使用しているのも同じく温泉水だそうで体内にも温泉を吸収できるなんて贅沢の極みではないでしょうか。
くわえて優れているのは風呂のシステム。最近の小宿ですと客室露天風呂や予約制や入替制の貸切風呂をつくりますが、こちらは各部屋に専用の貸切露天風呂があって滞在中は入り放題なのです。「貸切風呂に入りたくても同宿者が入っていてなかなか入れない…、特にインバウンドはひっきりなしに貸切風呂をお使いになる…。」このような経験をしてきた私にとっては神のようなシステムです。母屋の構造から客室に風呂がつくれないため、その解決として出来たシステムではあるのでしょう。ただ、専用の貸切風呂がつくれるのは十分な湯量と敷地があってのことですね。貸切風呂の浴室内も客室と同じように湯船の材質や見える景色も違いますがA室はA貸切風呂というように客室と紐づいていますので御留意を。
最後に食事。食事は半個室の食事処でいただきます。4室のうち1室は部屋食ができるようですが食事処は十分に静かで落ち着いています。夕食は板前が地元を食材をつかって腕を振るう日本料理を県内の地酒とともに味わえます。こちらは朝食の写真で同地区で収穫された新米のコシヒカリがおかわりすほど美味しかったです。まだまだ魅力的な場所や宿が日本にはあることを知らされた玉川村の一夜でした。

