「錆びない温泉!俵山温泉」山口県長門市

山口県長門市の旅・第二段は俵山温泉。油谷地区から整備された国道と県道を20分ほど走り着いたのは温泉宿が軒を連ねる静かな温泉街。その名は知っていましたが初めての訪問となりました。

到着したのが平日の夜ということもあり宿の灯りもまばらでしたが、共同湯が中心に街が広がっている温泉街の教科書のような場所でした。

温泉街には「白猿の湯」と「町の湯」が営業されていますが、この日は白猿の湯が定休日。荷物を置いて早々に町の湯へ向かいました。温泉街は車がすれ違うことができないほどの狭さ。この細い路地や階段の間に共同湯が見え隠れするのも歴史ある温泉街ならではの光景です。

湯上り処には「国民保健温泉地」と謳われた昭和レトロなポスターが。山に囲まれた温泉ながらも海が近いことが分かります。

この俵山温泉は、PH値9.8というアルカリ性単純温泉で「釘を漬けておいても錆びない!」というミラクルな温泉。町の湯の湯上り処ではペットボトルを購入して飲泉用の温泉水を持ち帰ることができます(通信販売もあり)。男女別の浴室には段違いの浴槽が二つ。一段目の浴槽の湯口からは源泉が流れているとあって湯口付近がなかなか空かない…

この日、宿泊したのは「ゲストハウスねる山」。廃業してしまった旅館を市役所の職員が素泊り宿へ生き返らせたそう。週末は飲食店も開きますが平日は食料を持ち込んだほうが無難です。レンジ、オーブントースター、冷蔵庫もあるので私は無問題でした。

かつては大勢の湯治客が訪れ賑わったようですが、今後は自然に湧き続ける湯量を供給できるだけの人数を受け入れれば良いと思いますし、インバウンドも下手にやらずに原点回帰の素泊り湯治宿として細く長く続いて欲しいと思う一晩でした。

※本紀行文については「まえがき」をご覧ください。